すでに有名な話でもありますが、CNN Travel Worldの「世界の美食トップ50」の第1位にタイのマッサマンカレーが選ばれました。ちなみにトムヤムクンが8位、ソムタムが46位でした。このリストは、2011年、2017年に発表され、最新版が2021年4月に発表されています。(関連サイトはこちら → The world’s 50 best foods )
この受賞(?)にあたって、タイ国政府観光庁(TAT)のユタサック総裁は、「このリストはタイ料理が世界クラスの料理として、その評判が認知されているという証です。タイは食通をうならせる観光地と言えます。COVID-19の状況が改善したら、世界中から観光客や食通が料理の旅に出るでしょう。タイは個性豊かなそれぞれの地域でタイ料理を通してタイらしさを探求する準備ができています。」とコメントしています。
それにしても2011年にマッサマンカレーが1位に選ばれた時に、何よりもタイ人が驚きました。なぜなら、一般のタイ人にとって、マッサマンカレーは、それほどなじみのある料理ではないのです。独特の香辛料の組み合わせも他のタイ料理とは違いますし、具のジャガイモやタマネギもタイ人にとっては一般的ではありません。日本のカレーを販売しているメーカーから話を聞いたことがありますが、ジャガイモやタマネギをパッケージに表示するとタイ人は手を出さないと言っていました。
そんなマッサマンカレーは、タイ南部の名物料理でもあります。マッサマンとは、ムスリムのことで、マッサマンカレーの起源がタイ南部を訪れたアラブ人から始まったという説もあります。もっと有力な説は、アユタヤ王朝時代の16世紀に中央で生まれたというものです。グリーンカレーなど各種カレーが生み出されたアユタヤ王朝時代、ペルシア人の貿易商などムスリムの人にとって、タイのカレーは辛過ぎるのと豚肉が使われていることが多く食べられなかったので、自分たちが食べられるカレーを生み出したのでした。ですからマッサマンカレーは、鶏肉や牛肉、羊肉などが使われ、豚肉は本来邪道ということになります。
さてこのマッサマンカレー、どんなお味かというと、これがなかなか説明が難しい。レストランによってずいぶんとバラツキがあり、何が正解なのかわかりません。見た目も薄い黄色や黄色に近い茶色、濃い茶色など、シャバシャバな汁物状態のものから濃厚なペースト状態など様々。基本の材料は、カルダモンやシナモン、クローブなどのスパイスの他、一般のタイカレーと同じくレモングラスやカー(ナンキョウ)も使われています。少し甘めなことが多く、ココナッツミルクやピーナッツを使ってコクが出されています。
ぜひ、自分好みのマッサマンカレーを探してみてください。ちなみに私にとってベストなマッサマンカレーは、自分の料理教室で作るものです。手前味噌ですが、本当に美味しい、じっくり煮込めば煮込むほど美味しくなるのもよくわかります。ご希望であれば、料理教室でレシピを伝授いたします。プライベート講座も承っておりますのでご連絡ください。
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タイ料理名: แกงมัสมั่น ゲーン・マッサマン
日本語名: マッサマンカレー
英語名: Massaman Curry
コメント: 本当に店によって味が違うので、一度食べてダメって決めないで、何度かチャレンジしてみてください。自分好みの美味しいマッサマンがみつかるはず!
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